道の駅は第2ステージへ

制度発足から20年
道の駅は第2ステージへ
地方創生の拠点へ施設整備進む
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「道の駅」は制度発足から20年が経ち、現在は全国に千を超える施設が登録されている。道の 駅自体を巡るツアー商品が人気を博し、「地方創生」の拠点としても重要性を増す中、政府は認定制度を設けて支援体制を拡充するなど「道の駅は第2ステージ を迎えつつある」(東北地方整備局の担当者)。従来型の休憩や情報発信、地域連携といった機能に加え、インバウンド(訪日外国人客)観光や地方移住促進、 福祉や防災などの拠点としても機能強化を図るための施設整備が各地で進む。
◎よこはま菜の花プラザ-青森県
下北半島縦貫道路の開通を見据える青森県は、IC計画地付近にある横浜町の「道の駅よこはま菜の花プラザ」について、産業振興・福祉医療・防災の機能付 加に向けた拡張を計画。福祉面では高齢者への宅配サービスなどの実施を想定している。本年度は基本計画を八千代エンジニヤリングに委託、ニーズ調査などソ フト面の検討業務も別途公告したところで、早期具体化を目指す。
◎一関に外国人観光客もターゲットで-岩手県
中尊寺をはじめとする世界遺産・平泉を抱える岩手県平泉町は、外国人観光客もターゲットとした情報発信と沿道サービスの拠点として国道4号バイパス沿い に計画。年間約200万人に上る観光客のうち1㌫程度だった外国人の比率は、世界遺産認定により5㌫近くまで増加、町ではさらに10㌫程度にまで伸ばした い考えだ。設計は関・空間設計・復建技術コンサルタントJVが作成し、本年度に着工、来年度のオープンを予定している。
◎鹿角市とにかほ市に-秋田県
道の駅と同様の機能を担う「湯の駅おおゆ」新設を立案した秋田県鹿角市。このほどプロポーザルで隈研吾建築都市研究所に設計を委託。大湯温泉を引き込ん だ足湯やイベント広場を設ける計画で2018年度オープンを目指し、道の駅の認定も視野に入れている。にかほ市象潟町の「道の駅ねむの丘」は、展望温泉や 大広間、産直施設を備えたRC造6階建てで東北最大規模の施設。ことし1月に「重点道の駅」に選定され、新たに観光担当部署や市観光協会などが入居するた めの工事に着手した。
◎角田市に温浴施設付きで-宮城県
宮城県角田市は、阿武隈川東側の中央公園近接地に道の駅機能を有する交流拠点を計画。温浴施設も兼ね備えた建屋2000㎡程度に加え、広場や調整池を設けることで既存公園と連携した活用を検討中だ。基本計画は国際開発コンサルタンツ。
◎コンセプトはオール米沢-山形県
山形県米沢市は、「オール米沢(置賜)を体感・創造・発信する道の駅」をコンセプトに立案。カフェレストランや加工施設を備えた延べ1700㎡規模で、近く設計を発注し、17年度オープンを目指す。すでに「重点道の駅」に選定されている。
◎広野町に防災機能も充実で-福島県
福島県広野町は国道6号沿いに計画。福島第一原子力発電所の事故で全町避難を余儀なくされた経験を踏まえ、防災ヘリポートや備蓄倉庫といった機能を付与 する意向で、17年度ごろの完成を目指す。基本構想は日本工営が担当。国道4号沿いに道の駅を核とした交流施設を計画している国見町。子どもの屋内遊び場 などを備えたW造延べ約2800㎡規模で、設計は計画・環境建築(東京都千代田区)が作成。来年度オープンに向けて造成工事に着手している。