負けが決まってる勝負を死ぬまでやらされる若者世代

学習院大学経済学部教授の鈴木亘先生曰く・・・・。

現状、20代、30代の人は、払い込んだ年金のうち6割ほどしかもらえません。若いうちから貯金しとけばいいと言われても、不況やらリストラやらです。金融広報中央委員会によると、20~29歳の若者の4割は貯蓄残高が0円です。サラリーマンや公務員などの場合は、年金は給料から自動的に引かれるので、年金を払わないという選択肢はないです。ちなみに、現在60代以上の人は、払い込んだ年金の額の6倍ぐらいもらえるそうです。

ついでに言うと、日本全体の金融資産の6割は、60歳以上の人が保有しています。ちなみに、8割の金融資産は、50代以上が所有しています。39歳以下の人が所有している金融資産は、6%です。貧乏な若者が、裕福な高齢者に貢ぐという構造になっているわけですね。

アメリカの自動車会社のゼネラル・モーターズ(GM)も、引退した世代に払う金額が高すぎて、つぶれてしまいました。日本でも日本航空(JAL)は、引退した世代に払う金額が大きいので破たんしました。働いてる世代の給料を減らして、既得権益を持つ働いてない世代にお金を回すというのは、よく見かける光景ですが、民間の場合は、その会社がつぶれたりしてバランスを取ることができます。その会社がつぶれるだけなので、社会的な影響はそれほど大きくならないですしね。

ただ、国家の場合は破たんというのはかなり難しいです。国家が破たんしてしまった場合は、日本人全てが困ってしまうので、なかなか破たんさせることはできないわけです。若者世代から見ると、「これ、おかしくね?」という感想を持つと思います。ただ、若者はお金を持ってないので、政治献金もできないし、働いていて忙しいので投票に行く暇もなかったりと、政治的な影響力は小さいので、政治家に期待するのは難しそうです。そうすると、働いている若者は、ひたすら我慢するしかないわけですね。

「相続税をあげればいい」とか、「金融資産税を作ればいい」とか、アイデアを出す人たちは、若者世代でもわりと多いですけど、政治的な影響力がないので、負け犬の遠ぼえでしかないです。というわけで、不利なルールであることがわかっても、ルールを変えることが出来ないまま、損をすることが確定している若者世代のみなさんですが、「最近の若者はお金を使わない」とか、「夢の無い若者が増えている」とか、マスコミによると、不況も若者のせいらしいです。

いやぁ、ほんと世知辛いですね。